イタチのお供え2022年11月04日 17:58

 イタチのお供え


 久しぶりに参道の掃除と剪定をした。門の内側に何やら黒いモノがある。何者かのフンである。黒いのはアケビの種だと思われる。これをあちこちばら撒かれ、芽が出て困っている。建物の隙間や、田んぼ畑にアケビの蔓がある。刈っても刈っても芽が出てくる。たくましい。歌に詠んでる場合では無い。

 多分イタチだ。門の戸と敷居の隙間が通り道になっている。この隙間を通ることは、以前からわかっていた。敷居の内側の三和土面が窪んでいるのである。



 閉門しているのに、お参りに来る。これは遠慮してもらおうと、一時、電気柵を設置した。針金は柵線である。それで出入りの気配は無くなった。

 門までの配線は竹藪を通していた。竹藪の整理や竹の子掘りに邪魔で仕方ない。イタチも学習したようなので、2年前にその部分の電気柵を撤去した。ただ、他のルートからの侵入は休みなしである。最近になって、山門ルートを復活させたようである。おまけにお供えまでしてある。

 先月、貝塚市願泉寺の表門のくぐり戸の板が破られた。国の重要文化財らしい。こちらは何の指定も受けていないが、寺の門、石畳み、土塀の一部がほぼ建立当時のままで、貴重である。当山は門が唯一寺らしさを残しているのだ。



 外側戸板にはイタチの手の跡がついている。欅の板と聞いている。腐ってはいないが、薄くなっている。これをイタチの好きにさせられない。

 さてどうするか。再度電気を引いてくるのも面倒だ。とにかく隙間を埋めよう。門に障害物は置けない。竹はどうか。取り外し易い。竹ならいくらでもある。



 ということで、とりあえず竹2本で隙間をふさいだ。これで様子を見よう。

 手前の丸太は入り口にあった楠で小休止の椅子として使っている。また左右の石は、庭にあった灯ろうで、左は屋根で移動するときに割れてしまった。砂岩でボロボロである。右は本体であるが上下は反対に設置してあった。どうも壊れたものを寄せて体裁を整えたのでは無いかと思う。大きな庭木を伐採したときに邪魔になるので動かした。元に戻そうか思案中である。

 参道の入り口からの石畳、門右側のお堂の写真を撮った。石畳は建立時のままだが、その他は改修している。


 入り口から


 門前



 門右のお堂


 門の内側


 門の屋根は葺きなおしている。昔の屋根はもう少し反っていたが、宮大工に頼んだわけではないので、反りはほとんどなくなった。屋根の端の獅子は古いのを載せている。後でつけた様で銅線でくくりつけている。どうも収まりが悪い。

 文句は言うまい。戦後ボロボロになった寺を先代がここまで再建した。田舎の貧寺はこれが精一杯である。あまり考えたくないが、地震で壊れたらどうするかなあ。今のところ屋根の雨漏りや、土塀の補修などDIYでちょこちょこやっている。

 地震は別にして、家屋と自身がどちらが先にくたばるか、競っている。今年になってマンションの改修積立金も跳ね上がった。

 イタチの相手をしている場合では無いぞ。いや違う、先の鬱陶しいことは考えなくてよい。今できることをやるだけよ。




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