次世代水道(アージのぼやき)2022年12月15日 19:51

 次世代水道(アージのぼやき)



 全国簡易水道協議会発行の「水道」に水資源機構理事の熊谷氏の記事があった。タイトルは「広域化の経緯と現状」である。


 冒頭に水道の世代の話があった。それによると世代は四つに分けられる。

 第一世代: 江戸時代初めに城下町ができ、導水のための構造物ができた。

 第二世代: 明治期に英国の技術が輸入され、伝染病対策として近代水道(現在水道の原型)を生んだ。

 第三世代: 戦後、人口増、都市化、生活・産業構造の変化→水源開発、浄水処理、一般給配水の3つが分離し、また、用水供給事業が生まれた。

 第四世代: 少子高齢化、長期人口減少社会に適応した次世代水道


 このように、ざっくり水道の成り立ちが整理されている。ここでの世代区分の主軸は人口と密度である。当たり前のことであるが、水道は社会インフラなので、需要者の量と密度で形が変わる。

 問題は次世代水道である。人口が減れば需要は落ちるし、密度も低下する。確実に水道システムの効率は落ちる。さてどうするか? 

 国が示す水道ビジョンは「安全・強靭・持続」の観点から、50年100年後の理想像をめざすとしている。確かに課題山積なのはよくわかるが、何故か響いてこない。

 水と空気はただの感覚が残る国で、環境・水問題はなかなか国民の心に染み込まない。どこの国も似たり寄ったりかもしれないが。この問題は、各自の生活に直接関係してやっと自分ごとと捉えるのではないか。文化とも密着しているので、問題意識の共有には時間がかかる。

 国は住民の理解が重要だと言いながら、経済論理で群集心理をコントロールしているようだ。海外水メジャーから押し付けられたローマ字・カタカナの官民連携施策を国民のどれくらいが理解しているのだろうか。

 営利を目的とする民間に、生活インフラの運営を任せたらどうなるか分かり切っている。到底、次世代水道の姿とは思えない。

 都市部と村落では生活スタイルは違う。水道ビジョンも違って良いのではないか。

 世界を見わたせば、水道の仕組みは千差万別なようだ。日本の水道ビジョンに叶う前例は無いのだろうか。実態を知らないので無責任だが、簡易水道の仕組みはダメなのか、二元給水もあったなあ。

 サービスのコストは受益者負担である。結局、市民の納得が鍵である。判断資料となる情報の提供が望まれる。

 誘導・扇動・フェイク情報は世に溢れている。芯にひびくのは少ない。NHKあたりで世界の水道事情と言った、特集を組んでくれないかな。水危機を煽る報道ではなく、各地のアイデアを紹介してもらいたい。



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