あの世に入っても役立つ樹木(その2)2021年06月07日 17:29

 あの世に入っても役立つ樹木(その2)


 黒松を切って1年が過ぎた。今から3年ぐらい前の話。4月は竹の子の季節、茹でるのに「へっつい」を使う。それ用の薪がいる。この季節天気が不安定である。シートを張って雨対策にしていたが、春の嵐もあるし常設にはできない。


 と言うことで、例の黒松を使って下屋を作ることにした。写真手前に納屋の庇がある。これは大工がつくったものでしっかりしている。これを利用した下屋は昔作った。写真の手前で、それに接続することにした。

 材料は昔家を建て替えた時の廃材である。先代は棚や机など殆ど自作していた為、使えそうな材木はためていた。ところが保管状態がよくなかった。腐食と虫食いが進んでいた。使えそうな材を分けて保管していたが、最近は単管を組んで作ることが多いので、木材の出番が少ない。将来的にも利用可能性が低そうなので、ぼちぼち始末したいと思っていた。チャンス到来だ。

 長尺の健全な廃材はほとんど無い。添え木をして軒桁につかった。写真左端は例の松で直接ネジ釘でとめた。だが中程は腐っているのでぶよぶよしている。屋根の波板を張る時気をつけねば。この時体重75キロ、ようやく持つかどうかだ。



 昔庭に生えていた樫の木も保管してあったので柱に使った。床柱ではないが、自然木を使うのは難しい。あーでもないこうでもないと現物合わせで何とか立てた。軒桁は頼りないが、端はプロが作った物に接続してあるし、例の黒松が逞しい。称して、両端アーティスティックオーバースペック下屋である。

 

 手前は以前に作った薪置場で屋根は一つにつないだ。



 薪を置くための棚は竹で作った。波板の屋根は雨降りの時に完璧なシャワーになる。樋は必須で、これも竹で作った。



 廃材はなかなか捨てられない。親譲りか、家訓か小さい頃からため込む癖がついていて、なかなか変わらない。どんな広い家でも溜め込めばゴミ屋敷になる。日曜大工やらアートやらと言いながら、周りの理解を求めているがやはり限度がある。迷走真っ只中・・・


あの世に入っても役立つ樹木(その3)2021年06月15日 16:51

 あの世に入っても役立つ樹木(その3)


 薪置場を作って、2年ほどたった。例の松の柱の周りを整理した。ふと松の柱をじっくり見た。数ミリぐらいの穴がいくつもあいているではないか。虫が入っているに違いない。早速カミキリムシ用の殺虫スプレーを穴に噴射した。


 数日経ったが外観上あまり変化はない。効いているのかどうかさっぱりわからない。不安なので皮をむくことにした。



 やはり皮の下は虫喰いと一部腐ってきていた。腐った部分を削って、虫の穴には再度殺虫剤をスプレーした。更に透明の塗料をスプレーした。特に根元は土に埋まるので、念入りに塗った。雨よけに平瓦も立てかけた。これで、防虫防腐対策良しのはずだ。これでしばらく様子を見ることに。

 ここに来ると諸行無常を実感させられる。いやはや己の知恵の浅はかさ。自然界に入れてもらうには、まだまだやなあ・・・

ワクチン接種予約奮闘記2021年06月15日 20:22

 ワクチン接種予約奮闘記

 テレビでワクチン接種のことが毎日のように報道されている。65歳以上の集団接種の予約受付が6月4日に始まった。パソコンで予約することにした。当日9時開始となっていた。待ち構えていてエントリーするも、あっという間に6月枠がなくなり7月5日の予約が取れた。掛り付け医にも電話で問い合わせたが、予約は受け付けていないとのこと。やれやれ、まあ一安心。
 一方、緊急事態宣言でスポーツジムが休館となっていたが、6月から開館営業となった。以前のように朝プールで遊んでいる。いつもの朝一メンバーは皆再会となった。殆ど、後期高齢者なので6月中には1回目のワクチンは済むようなことを言っている。
 14日月曜日にいつものようにジムへ行った。ふと掲示板を見た。付属のクリニックでワクチン接種を受け付けるとのこと。ダメ元で予定を確認することにした。最短で7月1日に空きがあるとのこと。早速予約した。家に帰って、大規模接種場の空きが沢山あるとのことなので、調べてみた。確かに6月末に空きがあった。頑張ればもう1週間は早くできる。だが、移動が電車になる。やはり徒歩で行けるのは大きい。何も予定がないので慌てることはない。近場で済ませることにした。

(以下雑観)
 やれやれ・・・この言葉、ジムで風呂から上がった後、おじさん仲間の呟きナンバーワンワード、ついついうつってしまう。大辞林に、疲れた時、落胆した時などに発する語とある。若者には似合わない、実はこの語を発して自分を元気付けているように思う。普通に出てくれば一人前だ。普通の高齢者になった、安心あんしん・・・。
 話も変異する、最近安全と安心をセットで唱える人がいる。何をいわんや、これが最強の変異株、不安だ。語は自然体で使いたい。でないと真意伝わらんと思うが・・・。

(河内のおっさん)
 真意が言えんから漢語を並べてるんやないかい。まだ、そんなことも分からんと何ほざいとんねん。そんなもん昔からある古株や、お主まだ元気じゃのう。能書きたれんと黙って坐れ。

竹藪のキノコ2021年06月21日 16:24

 竹藪のキノコ


 梅雨の中休みに竹藪の整備に入った。細い竹の子が邪魔になるところに出てくるので倒しておく。竹になると始末に苦労する。そこで珍しいキノコを見つけた。キヌガサタケという名前らしい。初めて見たので現場では写真に撮っただけで触れずにそっとしておいた。あとで悪臭があり食べられると分かった。残念、じっくり観察するんだった。秋にも出るらしいので今度見つけたら食べてみよう。




あの世に入っても役立つ樹木(その4)2021年06月23日 16:45

 あの世に入っても役立つ樹木(その4)


 テレビで、縄文時代の家の柱は栗の木で、土に埋まる部分は腐らないように、焼いて炭化させていたと報じていた。うーむ、そう言えば、小さい頃村で、真っ黒の板壁をよく見かけた。焼き杉板である。昔、建築家の藤森照信の作品に興味があったので、写真集や著作をよく読んだ。詳細は別の機会に記すとして、焼き杉板やタンポポハウスの話を思い出した。また、上高地の大正池の立ち枯れの木々も、焼岳の噴火で一夜にして炭化したのかな。100年たっている。焚き火の燃え残りが混ざった草木灰を畑に撒いても、炭と燃え残った木端は何年も土中で形を止める。自然界では微生物が大抵の有機物を分解してしまう。炭のように無機化したものには虫もつかない。

 そうか、例の柱の防腐対策に表面炭化がピッタリではないか。迂闊にも先人の知恵に気づかず、悔しい。キーワードは、縄文、焼き杉、藤森、なぜ思い浮かばなかったのか?どうも安易な判断で走ってしまう。あとで思う、時間はたっぷりあるのに、もうちょっとあれこれ考えたらよかった。これも老化の一つか。気をつけねば。


 さて柱をチェックした。ちょうど大雨が降った後で、結構湿気が回っているではないか。更に吹き降り避けに瓦で覆ってあった場所に木屑がある。虫が生きている。殺虫剤が柱の中まで届いていないのか。焼いて殺虫できるか分からないが、防腐も兼ねて古来の方法、焼き肌法を試すことにした。

 表面を焼くのにトーチバーナが要る。インターネットで調べてみると、ソトフィールドチャッカーが良さそうだ。逆さにしても使えるとある。後でわかったことだが、これがコーナンでもほぼ同じ値段で並んでいた。何でもインターネットが安いとは限らない。物による。何度も経験しているのに、まあイイかで、ついポチッとしてしまった。これもせっかちかな。


 表面に塗膜があるので一瞬ボーと炎が立ち上がって、白い灰がうっすら残る。表面が黒くなるまで焼いた。根っこは緻密で簡単には焼けない。そう言えば何でも根っこは燃えにくいし、腐りにくい。多分表面はポリフェノールが根を守っているのだ。切り株は中心部が腐って側は残っていることがよくある。

 根元に埋めた水はけ用のバラスはそのままにして、中間部は適当にあぶって塗装も活かすことにした。後は虫のチェック、木くずが出たら殺虫剤をスプレーしよう。

 

 何でも見える化することが大事。虫は大体敵がいるので身を守るために色々工夫している。夜間に動いたり物陰に潜んだりしているのだ。棚に並べた薪には、ほぼ一年で虫がつく。虫は住処を見逃しはしない。どうも当世の縮図を見ているようだ。なんでも被せたらあかん。湿気がこもるし、暗いし、虫もわく。風を通すに越したことはない。裸で行こう。