入院中の水補給 ― 2024年12月07日 15:34
入院中の水補給
抗ガン療法で摂取しなければならない第一は水、次にタンパク質である。
初めて入院した時は売店で毎日1リットルのペットボトルを買っていた。3回目ぐらいだったか退院日の朝、ボトル水が空になった。薬を飲むのに水がいる。やむを得ず洗面台の蛇口の水で飲んだ。何のことはないボトル水と変わらないではないか。以後の入院ではボトル水は買っていない。
この時、家の外では蛇口の水を直接飲まなくなっている自分に気づいた。必要な時はコンビニでボトル水を買うか、あらかじめ家で水道水をボトルにつめて携行するのが習慣になっている。
入院中の水の調達については迂闊だった。長らく水道にたずさわってきて、気づくのが遅い。ここは大阪市の新しい病院である。部屋の洗面台の蛇口の水が最も新鮮ではないか。数歩で安全な水が手に入る。日本ならではの素晴らしい飲料水システムである。
売店の入口にはボトル水がずらりと並んでいる。安いのは1リットル100円ぐらいである。けっこう買っている人がいる。部屋で同じレベルの水が飲み放題なのに何ということか。蛇口離れが進んでいるように思う。
何年か前に水道水を飲もうというキャンペーンがあったと思うが、もう一捻りして水道の徹底活用をPR したらどうかと思う。少なくとも公共施設やホテルの蛇口からはボトル水と同等の水が出ることを、鑑定証かなんかをポスターにして貼るとかTV のCMでながしたらどうかなあ。もちろん日、英、中、韓国語でインバウンドにも分かるようにする。日本の売りは観光資源だけではない、水道システムの安全安心も売なのだ。
これの実現には水道メーターから蛇口までの技術的な工夫がいるかもしれない。ユーザー自己責任の浄水器任せでは情けない。蛇口は水道の安全でおいしい水を実感するかなめである。そこの詰めが甘いと信頼感が揺らぎかねない。そのあたりの課題が置き去りになっているのではないだろうか。
今後は地域住民との信頼関係がますます重要になる。地味で優先順位の低い課題かもしれないが施策実現の基礎である。組織も変わったことだし、衛生指導や管理方法の抜本的な見直しも必要ではないかと思う。
入院して蛇口離れが自分にも浸透していることが分かった。洋食とともにやってきた食事中のミネラルウオーターみたいに、このまま庶民の文化として定着して欲しくない。洋食に合うお茶の開発はどうや。老兵は死なず、ただ消え去るのみだが、水道の安全安心のもう少しの詰めで足元かため、攻めのビジョン実現を期待したい。
どうやら抗ガン剤の副作用が出てきたみたい。迷想、妄想、頭ぐるぐる、そろそろやめよう、ではまた。
幸太郎 九拜 @病室
コメント
_ やっちー ― 2024年12月09日 13:39
_ アージ ― 2024年12月10日 10:59
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お役所も蛇口から水が飲める数少ない国の文化を守るためにもインパクトのあるCoolJapanを演出してもらいたいものです。