点滴終わる2026年06月11日 17:00

 点滴終わる

 先日の診察でついに点滴を終わりにした。前から診察のたびにドクターからどうしますかと問われていた。理由は①抗がん剤の副作用で体力が低下している。②そのため点滴間隔を3週間にあけた。③投与の密度が薄いからか顕著な薬の効果がみられない。④投与量を増すと体力がもたない。

 これでは抗がん剤投与の意味がない。もう投与できそうな抗がん剤がないので、痛みが出てきたら緩和する薬を飲むしかない。こんなことで爆弾を抱えたまま今を大切に生きるに徹するほかなくなった。予測はしていたものの現実になるとやはり気が滅入る。

 多少背中あたりが時々痛む程度で我慢できないレベルでははないので、この程度でおさまってくれれば、時間が解決するのを待てばよいと考えているが・・・。

 いよいよ終活のスタートか。元気になったら作業着にしようとおいていた古着、書籍類、パソコンや文具など全部処分しよう。断捨離に明け暮れそうでこれもおっくうに思う。

 身体にはマスト(must) がいけないと言う。性分かもしれないが、できるとこまでで良し、となかなか思えない。これからは中途半端に耐えるよう自分を慣れさせねばならない。人に相談すれば手伝ってもらえそうだがマストになってしまうので、独りで構想するしかない。

 終活は他人にどう思われるかではなく、死を迎えるにあたって自分の心を調和させて落ちつく手段ととらえたい。だから結果は中途半端でもよくやったと自分を褒めてあげよう。

 こんなことを考えているとだんだん気が滅入ってくる。その時はそのときと割り切って、今は少しボーッとしよう。あせること、ねばならないは何もない、毎日サンデー、現役時代は想像すらできなかった時間である。

 自然体で生きる。なかなかこれも良いではないかと何時になれば思えるのやら・・・その前にあの世か・・・。

            幸太郎 九拜




食道癌術後2年9ヶ月2026年05月28日 09:58

 食道癌術後2年9ヶ月

 食道癌の手術をして2年9ヶ月が過ぎた。手術後の再発を防止するために色々な抗がん剤治療をしてきた。おかげさまで転移した癌も今のところ暴れてはいないようである。

 薬の副作用がきつく生活の質は落ちたまま低空飛行状態である。今投与しているパクリタキセルも標準の回数を迎えているようでこの頃ドクターは、血液検査の結果では点滴できますが・・どうしますか?と問われる。

 悩ましいのは止めれば癌が進行する可能性があり、そのスピードは速いとのこと。そうなると緩和ケア状態となり痛みがひどい場合はモルヒネなどで緩和するらしい。

 この可能性がどの程度か個人差があって誰にもわからない。前回の点滴から一月空いた。今回どうするか迷ったが再発すれば数ヶ月の寿命といわれると、点滴できるならする方が精神的には楽である。

 何とも悩ましい日々である。癌と向き合うとはこういうことかと実感する。心身共にしんどいが、身体に痛みが出だしたら、一気に参ってしまい、寿命をむかえるのだろう。

 結局、少しでも効き目がありそうならそれを試すのが悔いがなくてよい。短い予寿命であるほど末期の生活全体で、したいことは我慢せずにやれば心が落ち着く。やりたいことはそんなに沢山あるわけでもない。

 闘病期間が長くなればその間に心の整理ができるし、年とれば誰だって身体の異常が出てくる。ちょっと癌という重たい荷物を抱え込んでまだ、墜落せずに未知なる世界に飛んでいけるなんて、ラッキーではないか。

 ものは考えようとはよく言ったものだ。 ・・・・

            幸太郎 九拜




車の運転2026年03月31日 18:01

 車の運転

 後期高齢者に突入した。運転免許証の更新は無事終えた。多少抗がん剤の副作用があっても車を運転して外出すれば気分転換になるので重宝する。

 それに通院や自坊への移動に欠かせない。今、困っているわけではないが、自己の老化と事故のリスク、車の進化の関係で安全にあと何年運転できるかが悩ましいのである。今の状態ならあと5年ぐらいかなと思う。これには安全性の高い車がいる。今の車は5年前のメーカーの最新のものなのでそこそこ良いので、もうしばらく乗れると思うのだが。

 車は安全面や燃費、AI など進化は早い。革新的ではないにしろ、やはり5年も経つと新しいのが気になる。それに下取りなどを考えると、買い替えにちょうど良いタイミングだと思う。

 7年前の池袋のI氏(87才)の暴走事故は忘れられない。当時の安全基準では新車に乗っていても防げなかったかもしれないが、いつ何時我が事になるやもしれんと思うとゾッとする。老化対策は難しいが、車の安全機能はカネで買える。運転する限り安全面への投資を惜しんではいけない。ということで買い替えることにした。

 年取るにつれいろいろ買い替えのニーズは絶えない。家電や衣服など我慢できなくもないが、短い予寿命を快適に過ごしたいので、ついつい易きに流れる。

 こんな安易なことで良いのだろうか。長生きすれば介護や何やかやで金がかかる。備えは十分だろうか。不安材料は尽きない。若いころは悠々自適な老後を夢見ていたが、何のことはない癌で木っ端微塵、加齢による老化も現実のものとなって考えの甘さを実感する。先を考えると気が滅入る。

 諸々の不安は増す一方である。手遅れになる前に思考回路を改善しておきたい。それには今できることに如何に集中できるかだと思う。習慣化するのに時間がかかる。かたく考えずに軽く意識するぐらいで良いのかもしれない。

 マンネリ化しやすい日常にちょっとしたイベントもいる。今回はタイミングよく新車が使えるではないか。せっかく買い替えたのだ。ツーリングを計画するか。絵を描くのと同じで構想時点で既に楽しい時間がはじまる。こう考えてみると車の買い替えは健康維持にかなり貢献できるではないか。

 いやー、相変わらず理屈が多いな。そこまでこじつけんでも、誰も無駄な買い物やというてない。要は新型車に買い替えるだけやないかい。そんな大袈裟なことか・・・やれやれ

          幸太郎 九拜


闘病の苦悩2026年03月13日 18:38

闘病の苦悩

 何とも言いようのない低質生活が続いている。とにかく食後は2時間ぐらいは身体が動かない。とくに朝飯のあと午前中いっぱい動けない。ただ、5時に起きて6時ごろまでに朝食を終えれば、何とか9時にジムの風呂に行ける。これも近ごろしんどくなって、サボる日が多くなってきた。

 この前の外来診察でドクターに訴えた。この抗がん剤は癌の縮小にあまり効いていないうえ、副作用がきつい。点滴投与のペースを遅くしたらどうか。ドクター、それは可能だと思うので、投与間隔を1週間増やして3週間にしようか。

 これであれば、点滴後3週目はかなり動けるのではないかと期待するも、今の体調では自信はない。来週は春の彼岸になり庭や畑の手入れが待ったなしになる。世間では桜の開花、花見と楽しそうであるが、こちらの気分は180度真逆で、うっとうしい時期になる。

 3週間隔の治療でしばらく癌の大きさの変化を見ることになる。楽観的でいないといかんと思うものの、不安は考え事をしているときにふとわいてくる。こんな繰り返しが毎日続くとだんだん気力が萎えてきて、食べて寝て、家でゴロゴロしてTVをみて一日が終わる。

 まだ、何のために生きているのかを考えるところまではいっていないが、緩和ケアの状態が頭に浮かぶとやるせない。

 今宵は暗いぼやきになったが、点滴後3週目の体調回復にいちるの望みをもっておやすみなさい。

          幸太郎 九拜



点滴続く(2コース6回目)2026年02月19日 18:44

 点滴続く(2コース6回目)

 パクリタキセルの点滴は続いている。CT検査の結果では、腎臓の癌は大きさに変化はない。おさえる効果はありそうなので投与を続けることになった。

 2週間に1回のペースで、点滴後の1週間は副作用で身体が動かない。きついのでやめたいが、放置すれば癌が増殖するので他の選択肢はない。おかげさんで新たな癌の転移も痛みもないので良いほうだ。

 ただ、精神的にはしんどい。繰り返し死が近づきまた遠ざかる。どうしても死ぬまでにやっておきたい事を考えてしまう。副作用で思うように身体が動かないので気が滅入る。点滴後2週目は何とか気力を振り絞って、雑事がやっとこさである。それに春になると自然が動き出す。自坊の植物をみるのが辛い。草畑がみるみるうちに薮と化してしまう。

 いつかは薬が効かなくなる。そのときはあきらめがつく。それまでの辛抱か。とにかく無理せずできることをやろう。できなくてもそれはそれで良し。今日目が覚めたに感謝すること。こんな風に言いきかせる日常である。

 一昨日、訃報があった。元O市水道のMさんである。肝臓に癌が見つかり2か月で逝ってしまったそうだ。びっくり仰天、さっきまで当方を励ましてくれていたのに。一気に色々な思い出が浮かんできて、悔し涙が込み上げてきた。

 70過ぎた頃から退職後もお付き合いいただいた先輩方、沢山はいないがほとんど先に逝かれた。淋しい。みんな酒豪で調子に乗って酒がすぎたに違いない。自分も癌になってしまった。ほどほどにできなかったのが悔やまれる。これが自然な人生なのだろう。みなさんのおかげで沢山の楽しい思い出ができたことに感謝しよう。貴重な心の支えになっている。

 そろそろお祈りしよう。

 Mさん ご冥福を・・・


(大悲呪)

チーン! なむからたんのー とらやーやー なむおりや ぼりょきちいしふらやー・・・ ・・・ してどー もどらーほどやー そーもーこー チーン! 

                幸太郎 九拜