泣きっ面に蜂(さてどうする)2025年07月27日 15:55

 泣きっ面に蜂(さてどうする)


 抗がん剤の点滴を再開したその翌日、7月はじめに家内が倒れた。早朝救急車を呼んで緊急入院した。原因は虫垂炎をこじらせたようで、翌日手術となり、ICU に3日間入ったのち一般病室に入って通算半月の入院となった。

 猛暑に副作用、自炊を強いられ、衣類の洗濯と病院への日参でかなりまいった。気楽な一人住まいというが、慣れていないのでかなりしんどい。

 こちらの病気には関係なくいろんなことが起こる。身体が弱っている時に、非日常におそわれると、まず気がなえてしまって、ちょっとしたことでもおっくうになって、やる気がしない。

 どうしたら気力が湧くのか。中途半端な信心では神仏も助けにならないが、日常のちょっとしたことの効用に気づいた。

 朝は体調が良ければ、近所のジムの風呂に行く。浴槽で10分→水浴1分→サウナ5分(誰もいなければ大悲呪を唱える)→水浴1分というのがフルコースである。小一時間を過ごす。最近は、暑いのでこれが唯一の外出となることが多い。

 その時の常連のおっさんとの挨拶が清々しい。暑い、しんどい、阪神勝った、頑張れよ、やりすぎたらあかん、調子はどう、お疲れ、お先に、ロッカー室での会話である。不思議なことにこれらの言葉の交換で気分が晴れる。

 外出の少ない病もちの高齢者が気力を取り戻すのに、プライベートに踏み込まない、こんなやり取りが意外に良いことがわかった。挨拶で思いやりの気が流れるのだと思う。

 それでもこのごろの夏空のようにはスカッとは晴れない。ふと我に帰るとどんよりした雲が心身を覆う。運動で晴らしたいが熱波で動けないのが辛い。

 熱中症予防ではなく、ドクターからは水飲めといわれている。夜中のトイレが2時間おきぐらいになって、寝不足になるのが辛いので日に1.5リットルがやっとである。猛暑なので2リットルぐらい飲まなあかんかな。もちろん水は水道水だ。

 さて何もできず飲み食いだけで一日が終わると何ともむなしい。

 でてくるのは、やれやれのため息ばかり・・・

 騒がず焦らず、熱波をやり過ごそう。諸行無常、そのうちおさまるはずや。

            幸太郎 九拜



キートルーダの副作用2025年07月19日 16:53

 キートルーダの副作用


 キートルーダ単剤を7月の初めに点滴投与した。心配していた副作用は、翌日から腹の調子が悪くなり、10日目ぐらいにおさまる感じである。やはり前の入院点滴の時とは違ってかなり楽である。この程度だと月1回の単剤点滴は耐えられそうだ。ほっとしている。 

 結果論だが副作用がきつかった前回の治療は癌の増殖を抑えていた。今回の単剤投与の副作用が弱いので癌を抑えられるか少し不安である。副作用と効果は関係ないと言われるが・・・

 今のところ他の選択肢はない。やれやれ・・・


         幸太郎 九拜




抗ガン治療の再開2025年06月27日 15:52

抗ガン治療の再開


 今年の2月にキートルーダの抗ガン治療を中止した。理由は8回に及ぶ化学療法と免疫療法を組み合わせた一週間の点滴入院で副作用が我慢の限界で、薬の効きがよく分からなかったからである。1月にキートルーダ単剤の外来点滴をして、2月の2回目の予定日にドクターに治療をやめたい旨を伝えて中止した。

 その後3月のCT検査では腎臓に転移しているガンの大きさに変化はなかった。調子を良くしていたが6月のCT検査では腎臓のガンがやや大きくなっていた。

 ドクター曰く、このまま放置すればさらに大きくなっていくし、他の臓器への転移も考えられる。治療法としては、毎週一回の化学療法か、月一回のキートルーダ単剤投与がある。どうしますか、判断して下さい。

 キートルーダ単剤投与は一回でギブアップしていたが、ガンの増殖をおさえていたかもしれない。副作用が落ち着いた現時点で再度キートルーダにかけることにした。

 さっそく7月はじめから点滴することになった。ドクターははっきりいわないが、2回目を中断せず続けていたらなあ・・・と言う感じである。

 キートルーダ単剤の副作用は経験がない。少なくともこれまでよりは軽いだろうと思っている。鬱陶しいがまあまあ動けるなら良しとしなければ。

 やっぱりやれやれです・・・ 

              幸太郎 九拜



風らんの植え替え2025年06月12日 10:50

 風らんの植え替え


 2021年の春にMさんから風らんをいただいた。その時のようすは次のブログにあげた。

 https://aaji.asablo.jp/blog/2021/07/20/9399984


 あれから4年たった。今も同じ松の枝で頑張っている。闘病でここ2年ほど水やりもろくにできなかった。水苔はやせてかたくなっている。当時ほどの生気はないように見える。

 まるで自分を見ているようだ。これではいかん。植え替えて元気を出してもらおう。

 植え替え方法をネットで調べてみた。水苔、流木、コルク板、ヘゴなどがある。元株は4株ぐらいある。初めてなので冒険はできないが、水苔のほかにヘゴに挑戦することにした。

 いざヘゴを探してホームセンターへ行ってみたが、置いているところはない。ネットで調べると楽天やヤフーで売っていたが全てチャームというショップであった。あまり深追いする気力もないので、楽天で長さ45センチの小さいのを注文した。価格は920円プラス送料730円であった。


 植え替えの適期は4月ごろらしい。5月は少し遅いので、手早くやろう。

 ヘゴは段違いになるように長短をつけて2分し、針金でしばった。2株を段差の部分にのせて麻紐でくくった。

 水苔はダイソーで220円で買ってきた。質はあまり良くないかもしれないが、様子を見てまた取り替えよう。鉢はそのままで水苔だけ変えた。風で飛ばされないよう、これも2株麻紐で軽くしばった。

 二つ揃えて元の松の枝にぶら下げた。・・・・

・・・・植え替えてから三週間ほどたった。とくに変わった様子はない。一安心、・・・

 元気だしてくれよー、こちらも頑張るからなあー。

            幸太郎 九拜




モネの日の出を模写2025年05月28日 18:03

 モネの日の出を模写


 印象派の絵が好きで、よくみに行った。ずいぶん前に、モネの「日の出」をみた。暗い部屋の真ん中でやたら日は輝いていた。オレンジとグレーのコンビネーションが素晴らしい。あさひをここまで輝かせる絵とその展示はさすがである。


 これまで淡彩のスケッチをやってきたが、上塗りが効く油絵に憧れていた。当時はまだ若かった。やりたいと思うや即座に道具を揃えた。実は色々考えるこの時が一番楽しい。一揃い買って、やりはじめたものの油絵のテクニックを持っていない。今も持っていないが、まともな絵になるはずがない。さらに油は準備と後始末が煩わしい。ついつい億劫になり、病気になって絵を描く気力が萎えてしまいほったらかしである。

 先日、Eテレで3ヶ月でマスター・絵を描くという番組をみた。みていると割と手軽そうである。アクリルのガッシュという乾きの早い絵の具を使う。うん、面白そうだ。これは今の自分の状態にピッタリではないか。気が向いた時に気軽に描きたい。それに後で修正が効く。絵心が少し動き出した。

 ということでさっそく材料を取りそろえた。机の上にモネの日の出の葉書を飾ってある。とりあえず模写だ。



 絵の具の扱いは手軽で気に入ったが、油絵の具で同系色の色の塗り重ねた空気感はこの不透明絵の具では難しそうだ。テクニックがついてこない。筆のタッチがうるさく全体にスッキリしない。道具のせいではないのは承知のすけだが、透明のアクリルもあるらしいので、それを試すかな。

 一方、模写で教わることは多いが、自分の絵ではない。一からこんな絵は描けそうもないと、しばらく忘れていた創造の難しさを思い出した。さらに、闘病で自己主張に自信をなくしてしまっている。

 うーん、うまくいかなかったら病気や年や、何かのせいにする癖がついている。ここで考えすぎてはいかん。いろいろ思いつくことをやってみるのだ。落書きで良い。とにかく筆をとろう。使ったこのない絵の具を試すのも良し。散歩に出たら写真を撮ろう。今、五感は鈍っているのだ。ちょっとした刺激がいる。


(日の出模写後、独り言)

 ちょっと最初にしてはまずいな。印象派巨匠のモネ、お手本のレベルが高すぎる。納得の模写にならない。病気で遠ざかったスケッチ感、鈍くなった感覚はうたた寝、いや熟睡だ。日の出が夕焼けこやけになってしまった。

 

               幸太郎 九拜