工事終了2023年09月19日 11:58

 無事工事が終わりました。

 工事は、2ヶ月前に食道ガンが見つかり、抗ガン剤治療と食道の切除手術でした。先々週、退院しました。

 腸ろうで栄養を注入するも、体力、気力は最低で何することもなく過ごしてきましたが、ここにきてようやく外に散歩に行けるようになりました。

 まだ、気力もいまいちですので、ブログの更新もぼちぼちになりますが、時々覗いてください。



秋の彼岸2023年09月20日 20:52

 秋の彼岸


 暑さ寒さも彼岸までと言うが、今年の暑さはどうだろう。入院中だったのでさほど感じなかったが、家族は大変だったらしい。

 毎年、彼岸に向けて寺の掃除に忙しいのだが、今年はできそうにない。気になるが、この暑さと病み上がりのせいにして、寺の作務はあきらめよう。

 さて、彼岸と此岸の言葉について、宗門の冊子に気になる記事があった。心のあり方を示す仏教語だとのこと。普段は深く考えることなく、単純にあの世とこの世という意味で使っているが、その記事では、彼岸は極楽や悟りという言葉で表され、此岸は思い通りにならない、地獄や煩悩の世界を表すとある。

 心のありようなので、普通は彼岸と此岸を行き来しているのだろう。むしろ此岸の状態が殆どかもしれない。

 病気をすれば、よくわかる。できないことを嘆き、心は不満に満ちている。ほとんど此岸の真っ只中だ。これではますます落ち込む。

 こんな時、先人は教える。今できることを一生懸命やって、彼岸に向かえと。病人はできないことを周りの人にやってもらっている。

 彼岸の入りを契機に、感謝はもちろんだが、少しでも自分でやって心を彼岸に近づけたい。

 




長老Sugaさんの教え2023年09月25日 17:15

 長老Suga さんの教え


 今夏、1回目(2回行う)の抗がん療法が終わり、たまたま、自宅で静養中に、Sさんが亡くなったとの連絡があった。

 訃報とこちらの病で、若い頃お世話になって、晩年調子を崩した方々を思い出した。そのうち何人かは亡くなられている。

 記憶にある場面は会食が殆どである。飲んでいるので断片でしか覚えていない。とにかくよく飲んだ。生意気な若造に、皆さんよく付き合っていただいたものである。

 Sさんは今年で87才だと思う。東京で単身赴任のころから、公私にわたってほぼ20年お付き合いいただいた。

 当時のSさんの元気さは半端ではなかった。お酒は当方もそこそこいただくが、一回り以上の年の差を感じさせない。おまけに歌が上手いので、スナックではコテンパン、足元にも及ばなかった。

 良いことばかりではない。Sさんの70代後半だと思うが、脳内出血、脳梗塞?で左半身不随になった。頑健な方だったので、まさかとびっくりした。お見舞いに行った。いつも明るい方なのに流石に落ち込んでいた。一言、「くも膜下で死んだ方がよかったよ」

 その後リハビリにも精を出し、一人で動けるようになった。時々声をかけていただいた。今日は2本と言って飲酒量は減ったがそこそこ飲まれていた。杖をついての歩行である。道の障害物などで手を貸そうとすると、手を出すなと怒られた。

 また、晩年は歌のリサイタルを開かれた。初回は2014年で、2回目は「80の手習い」と称してがんばられた。この時はやるかやらないか、かなり迷われてたのを思い出す。なにしろイタリア語の歌詞を覚えるのが大変だと。

 仕事の面で教わったのは、筆まめの勧めである。たとえば、出張して面談した相手に、その日の宿泊ホテルでお礼の葉書を出すのである。一式は常に携行している。葉書をもらった相手は印象に残る。次回の面談はスムーズで距離はぐっと近づく。素晴らしいと思ったが、金釘流の筆不精者には真似できなかった。

 今になって思うと、大事なことを身をもって諭されたのではなかろうか。

 大酒飲みは70で大怪我をする。あとは元には戻らない不具合と向き合って生きるのよ。できれば何か挑戦できることを見つけなさい。

 真似しなくて良いのに、あとを追っているようである。

 Sさんの実家は禅宗だときいていた。「なむからたんのー・・・」とさわりを唱えておられた。亡くなられた時は、まだ、食道があって声が出たので、この大悲呪を上げさせてもらった。

 お世話になりました。ご冥福をお祈り申し上げます。

                  アージ 九拜




療養中のぼやき2023年09月29日 20:29

 療養中のぼやき


 病気療養中はぼやきが多くなる。午前中は腸ろうでエネルギーを注入している。これをスタートすると血が腸に集まるのか、何もやる気がしなくなって、ボーとTVをながめている。ラジオも聴くが、朝の放送は区切りの時間ごとに同じニュースが流される。一般には朝は忙しいので、10分ほどニュースをきけば良いようになっている。

 本でも読めば良いのだが、気がなえているのでその気になれない。ベッドに横になればうつらうつらしてしまい、夜の寝つきが悪くなる。なんとも体のバランスがくずれたままで、すっきりしない。

 それでも、脳は外からの刺激に反応する。ぼやき癖があるので、報道などで、ある種のキーワードに反応する。だが、気がなえているので、深掘りする気もせず、ただぼやくのみである。

 最近、気になった報道は次のとおりである。

・首相の訪米中の講演、海外からの参入を促進するため、資産運用特区を創設する。

・大阪カジノIR、事業者と協定結ぶ。

 いずれも新自由主義の経済優先、特区を作って既存の規制に風穴をあけ、短期に成果をだすやり方である。特区方式の検証もせずに、経済的格差社会へまっしぐらではないか。

 もうやめよう。寝つきがさらに悪くなる。