長老Sugaさんの教え2023年09月25日 17:15

 長老Suga さんの教え


 今夏、1回目(2回行う)の抗がん療法が終わり、たまたま、自宅で静養中に、Sさんが亡くなったとの連絡があった。

 訃報とこちらの病で、若い頃お世話になって、晩年調子を崩した方々を思い出した。そのうち何人かは亡くなられている。

 記憶にある場面は会食が殆どである。飲んでいるので断片でしか覚えていない。とにかくよく飲んだ。生意気な若造に、皆さんよく付き合っていただいたものである。

 Sさんは今年で87才だと思う。東京で単身赴任のころから、公私にわたってほぼ20年お付き合いいただいた。

 当時のSさんの元気さは半端ではなかった。お酒は当方もそこそこいただくが、一回り以上の年の差を感じさせない。おまけに歌が上手いので、スナックではコテンパン、足元にも及ばなかった。

 良いことばかりではない。Sさんの70代後半だと思うが、脳内出血、脳梗塞?で左半身不随になった。頑健な方だったので、まさかとびっくりした。お見舞いに行った。いつも明るい方なのに流石に落ち込んでいた。一言、「くも膜下で死んだ方がよかったよ」

 その後リハビリにも精を出し、一人で動けるようになった。時々声をかけていただいた。今日は2本と言って飲酒量は減ったがそこそこ飲まれていた。杖をついての歩行である。道の障害物などで手を貸そうとすると、手を出すなと怒られた。

 また、晩年は歌のリサイタルを開かれた。初回は2014年で、2回目は「80の手習い」と称してがんばられた。この時はやるかやらないか、かなり迷われてたのを思い出す。なにしろイタリア語の歌詞を覚えるのが大変だと。

 仕事の面で教わったのは、筆まめの勧めである。たとえば、出張して面談した相手に、その日の宿泊ホテルでお礼の葉書を出すのである。一式は常に携行している。葉書をもらった相手は印象に残る。次回の面談はスムーズで距離はぐっと近づく。素晴らしいと思ったが、金釘流の筆不精者には真似できなかった。

 今になって思うと、大事なことを身をもって諭されたのではなかろうか。

 大酒飲みは70で大怪我をする。あとは元には戻らない不具合と向き合って生きるのよ。できれば何か挑戦できることを見つけなさい。

 真似しなくて良いのに、あとを追っているようである。

 Sさんの実家は禅宗だときいていた。「なむからたんのー・・・」とさわりを唱えておられた。亡くなられた時は、まだ、食道があって声が出たので、この大悲呪を上げさせてもらった。

 お世話になりました。ご冥福をお祈り申し上げます。

                  アージ 九拜




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