丸山ワクチンとオプジーボ(ノーベル賞の本庶先生:追記)2023年11月11日 15:36

 丸山ワクチンとオプジーボ

      (ノーベル賞の本庶先生:追記)

[ 追記 ]

 1980年代に、丸山ワクチンの有効性が社会問題になったような記憶がある。ワクチンは保健適応にはならなかった。この頃、統計の先生に指導してもらっていたので、おぼえている。

 疫学では薬の判定に統計学を使う。効用のメカニズムが複雑だからである。丸山ワクチンについて、有意検定でぎりぎりのところで有意性はないとの判定だと言っておられた。

 詳細は避けるが、検定には有意水準を設定する。通常1%と5%がよく使われる。これは誤る確率が1%とか5%であるという意味で、値は任意に採用できる。

 丸山ワクチンには副作用はないらしい。ならば、容易なことではないが、有意水準を10%にして、治療のチャンスを多くした方が患者のメリットは大きいと思うのだが。

 これを国に働きかけるのは学会の役割だと思うが、当時、丸山先生と癌学会の主流派との対立があったそうだ。これが国の認可にどのように影響したかわからないが、どうもスッキリしない。

 本庶先生と小野薬品でも訴訟問題がおこった。2021年、小野薬品が、京大と本庶先生に計280億円支払うことで和解したとのこと。(オプジーボ訴訟)

 新薬の研究開発にはカネと時間がかかる。関係者は、国の認可でその投資を回収できることになる。莫大なカネが動くので、どうしても揉めてしまう。

 オプジーボは、ノーベル賞級の治療法なので単純に信頼性は高いと思いたい。薬の信頼性に揉め事は関係ないと思うが、企業が先生の要求に応えられず、訴訟にまで至ったのが残念である。新薬の進化への影響が懸念されるからである。

 がんの免疫療法はスタートしたばかりである。この治療の臨床試験に参加するものとして、関係者の禍根のないコラボを願うばかりである。



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